日本救急医療学会熱中症分類
熱中症診断ガイドライン2015によると、従来は症状によって熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病などの表現の総称として熱中症を定義しています。つまり症状の軽いⅠ度は熱けいれん、熱疲労といわれ、もっとも症状の重いⅢ度が熱射病ということです。そしてこれらの重症度は刻々と変化し、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの順番通りに症状が出るわけではありません。
労作性熱中症と疲労作性熱中症
熱中症には労作性熱中症と非労作性熱中症に大別することができます。
労作性熱中症は、若年から中年の男性が多く、発生場所は野外、炎天下で発症までの時間は短く、基礎疾患は無い。
非労作性熱中症は、高齢者が多く、性差は無い。発症までの時間は数日経て徐々
に悪化、基礎疾患は有る。(心疾患、糖尿病、脳卒中後遺症、精神疾患、痴呆症)¹
スポーツ中の労作性熱中症では、基礎疾患が無い場合が多いので予後良好であるといわれていますが、高齢者が屋内でかかる疲労作性熱中症は基礎疾患があることや、発見が遅れることで予後不良となります。
¹三宅康史.; 医療者のための熱中症対策Q&A. P107.