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熱中症関連情報

暑熱環境下においての人間の適応の障害によって起こる状態の総称です。¹
熱中症と似た言葉に日射病や熱射病などあり、定義がわかりづらいという方も多いのではないでしょうか。
そんな方には、日本救急医学会がガイドラインを公表していますのでとても参考になります。
詳しくは

 
 
¹日医雑誌2012;141(2):PP259-263

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冷却方法について

労作性熱射病の疑いがあれば、冷却を第一優先しなければなりません。アイスバスが無ければ、できうる冷却法(濡れタオル・アイスパック法、水道水冷却法、送風等)で最大限の冷却を実施することが重要です。
詳しくは

 
 
熱射病患者の体温を42℃から39℃まで低下させるために要する時間は、体温低下率0.15℃/分で20分、0.08℃/分で40分、0.05℃/分以下では1時間以上となります。0.15℃/分の冷却を実現できる方法は冷水浸漬法(CWI)以外ありません。

なぜ、Cool Fast Transport Secondなのか?

高体温時の期間と生存率 (Rat Model)について以下のデータを示します。¹
労作性熱中症(EHS)を発症してから15~30分で生存率50%まで低下、
45分以上40.4℃を超えると生存率20%以下に急落します。
即ち、高体温の時間が長くなるほど救命が困難になることを意味します。
そして、15分以内に39℃以下にできれば一気に生存率80%を超えます。
したがって、短時間で冷却できる方法を選択することが大切です。
 
一方で、本邦に於いて救急車が現場に到着、病院に搬送するまでに何分かかるでしょうか?

救急車が病院に搬送するまでに全国平均で約40分です。²
病院到着後からの冷却では手遅れになる恐れがあるのです。
これが先ずは冷却、運ぶのはその後の理由です。
¹ Rebecca M.Lopez et al. Exertional Heat Stroke in the Athletic Setting. Athletic Training & Sports Health Care. 2011;3(4):189-200. 
² 総務省消防庁令和元年版 救命救急の現状

なぜ冷水浸漬法が労作性熱中症の第一選択なのか?

 冷却方法はさまざまですが、最も冷却速度が高い方法が冷水(氷水)浸漬であることがわかっています。例えば、患者が倒れてから30分以内に3℃体温を下げる必要がある場合には0.1℃/分の冷却速度が必要です。
 

 図上のグラフ¹では、0.1℃/分の冷却スピードならヘリコプターの風で冷却する方法と同等であることがわかります。
国際マラソン医学協会医療救護マニュアル(暫定版)には、望ましい冷却法として冷水(氷水)浸漬が最速で、ランナーの体温が0.22℃/分下がることが明らかになっていると明記されています。
  Casa DJ et al.Exercise and Sport Sciences Reviews.2001. 35(3):141-9.